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みなさん、こんにちは、NAOKIです。
先日、オーストリアに行く機会があったので、前回に引き続き「ハプスブルク家」について書くとともに、オーストリア造幣局の本社やウィーンの街で撮った写真を公開したいと思います。
子供の頃から何度もウィーンを訪れ、「シェーンブルン宮殿」や「ホーフブルク王宮」を見学したのですが、当時はハプスブルク家にまったく興味を持っていませんでした。何しろ、僕にとって「ウィーン=プラター遊園地」(ジェットコースターやゴーカートに乗れる)だったのです。
けれども、先日久しぶりにウィーンを訪れてみると、夏から取り組んできたNHKの仕事の影響だと思いますが、街の印象がすごく変わりました。ハプスブルク家640年の歴史の詰まった建物、部屋数が2600室と言われる王宮やハプスブルク家の人々が集めた芸術品のある「美術史博物館」、「マリア・テレジア」の夏の離宮である「シェーンブルン宮殿」など、街全体がハプスブルク家の象徴なのだと改めて感じました。特に、「国母」や「女帝」と呼ばれているマリア・テレジアを真ん中に、その像の東西南北には官僚が守り続け、おまけに子供時代のモーツァルトの像まで付いている美術史博物館と自然史博物館の広場には圧倒されました。
このマリア・テレジアという人物は、ハプスブルク家の中でも特に優秀な支配者であり、「政略結婚」が多かった時代に、彼女は憧れであったロートリンゲン公国のフランツ・シュテファンと結ばれました。二人の仲は大変円満で、二人には16人の子供が出来ました。
マリア・テレジアは他国と戦争をしたり、たくみに官僚を使い、必要とあれば外国人や身分の低い人をも起用し、管理組織の一元化、教育改革、軍事機構の整備、病院設立など、様々な改革を行い、オーストリアを近代国家に導きました。
又、マリア・テレジアは、一番愛していた娘のクリスティーネ(愛称:ミミ)以外は、全員「政略結婚」させました。特にマリア・テレジアは、ヨーロッパの平和維持のためにはブルボン家と手を組むことが一番と信じていたため、子供の結婚相手にブルボン家の王子、王女を選びました。
このように、マリア・テレジアは『血で血を争う戦争よりも、不幸な結婚の方がまし』という考え方を持っていました。
彼女が夏の離宮として使用した「シェーンブルン宮殿」は、「美しい泉の宮殿」と言う意味で、1696年にマリア・テレジアの祖父であるレオポルト1世の時代に建築が始まり、18世紀マリア・テレジアの時代に完成しました。何と1440室もあると言われる宮殿で、「マリー・アントワネット」は育ちました。ホーフブルク王宮とこの宮殿は、パリとヴェルサイユ宮殿と比較出来るでしょう。
主人のフランツ・シュテファンには政治的能力はありませんでしたが、財政援助、植物園や動物園の建設など、マリア・テレジアが興味を持たない分野を補足し、子供達の教育に力を注ぎました。そのため、ウィーンには世界初と言われている動物園が「シェーンブルン宮殿」の園内にあるのです。
「マリア・テレジア」は日本ではそれほど知られていないのに対し、娘の「マリー・アントワネット」は、漫画「ベルサイユの薔薇」によって大変知られています。漫画でも描かれているように、娘はパリで「わがまま三昧」で、とても派手な生活をしていました。その様子を様々な人々から聞いたマリア・テレジアは、生活態度を改めさせようとしましたが、結果は皆さんも御存知のように、ギロチンで処刑されるという悲劇的な結末に終わっています。
次男のレオポルド二世の結婚式のためにインスブルックを訪れたマリア・テレジアは、愛する御主人を失っています。支えを失った彼女は、その後、常に喪服を着たと言います。あれだけ「女帝」と言われた彼女も、すっかりその面影を無くしてしまいました。又、『マリア・テレジアの祈祷書』には、御主人と一緒に過ごした時間を、以下のように書いたと言われています。
『29年6ヶ月6日、1540週、1万781時間、35万8744分』。
僕はマリア・テレジアが政治を行ったこの街ウィーンを、今までと違った目で見る事ができました。ハプスブルクの紋章である『双頭の鷲』は、今でも王宮関係のみならず、老舗のお菓子屋さんやパン屋さんに誇り高く飾られているなど、これほど脈々と生きているヨーロッパの王朝はまさにハプスブルク家のみだと改めて感激しました。
もし、ハプスブルク家(フランツ・フェルディナント)が第一次世界大戦の引き金にならなければ、もしかしたら、640年も続いたハプスブルク家王朝は今でも存在していたかもしれません…
もし、「ハプスブルク家」にご興味をお持ちでしたら、又は、もっと詳しく知りたい方は、僕も何ヶ月間か翻訳をさせて頂いた番組を是非ご覧になって下さい。
番組情報:
NHK BSハイビジョン
ハイビジョン特集 『ハプスブルク帝国 ~多民族国家が遺したもの~』
11月12日(月)~14日(水) 午後8:00~9:50
第一回 黄金の小屋根~華麗なる多民族国家の誕生
第二回 咲き誇るバロック~マリア・テレジアのウィーン~
第三回 美しき青きドナウ~爛熟の黄昏~
では、また次回お会いしましょう!
NAOKI
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